越中正人 -echoes- 京都造形芸術大学内 ギャラリーRAKU2008 04.30 - 05.11 |
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越中 正人 -echoes-京都造形芸術大学内 ギャラリーRAKU 【企画趣旨】本展は近年、海外のアートフェアでも注目を集める若手作家 越中正人による個展です。越中は「集合と個」をテーマに写真作品を制作します。その画面の大部分のピントはぼけ、像は歪み、一見すると何が写し込まれているのか判断に難いものすらあります。人々が集う場所、例えば、街角やレジャー施設などを収めた写真を、さらに複写するという手法で生み出されるこれらのイメージ。不必要な情報をそぎ落とし、自身が欲する情報のみを抽出することにより、現実を再構成しているのです。このプロセスを経ることによって視覚的リアリティは極限まで薄弱し、しかし越中の、自己のリアリティは強化し顕在します。言い換えるならば、記録ではなく記憶としての認識なのです。 言うまでもなく、そこに偶然、必然性といった差違はあるものの、集合とは個によって形成されます。作中において、個は認識不可能なレベルまで溶解し、個の絶対的な唯一性ですら、集合に属することで曖昧なものになりうるという現実を見る者に突きつけます。越中が追い求めるもの。それは時間や場所、そして個の境界すらも超越する、どこまでも広がり、繋がっていく“曖昧さの中にあるリアリティ”なのです。 【関連イベント/ゲストトーク】日時:2008年5月9日(金) 18:00〜19:30 場所:京都造形芸術大学 人間館4F NA413 内容:現在、現代美術の状況は、多様なマーケットシーンの広がりと、様々な作家像が入り交じり、より複雑に突き進んでいます。その中で、美術手帖という、美術の情報媒体を発行され、BT collectionを創られている大下氏と、近年若手作家の展覧会企画も行い、新人アーティストの発掘にも力を注いでいる市原氏に、今後の動向や状況、作品を所有してゆくということの在り方等をお話頂きます。 ゲスト:市原研太郎(京都造形芸術大学 芸術表現・アートプロデュース学科 教授)主な仕事・経歴:80年代後半より現代美術評論を開始し、雑誌、新聞、展覧会カタログなど寄稿多数。東京芸術大学・跡見学園女子大学非常勤講師、京都造形芸術大学客員教授を経て、2005年より現職。 大下健太郎(株式会社美術出版社 代表取締役社長)主な仕事・経歴:1964年 東京生まれ。多摩美術大学卒業。1991年株式会社美術出版社入社、1999年 同社代表取締役社長就任。現在に至る。