タワン・ワトゥヤ
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会場:nca | nichido contemporary art
会期:2024年11月30(土)~ 2025年1月18日(土)
営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (日・月・祝 休廊)
*冬季休廊 : 2024年12月28日(土)~2025年1月7日(火)
オープニングレセプション:11月30日(土)17:00 ~ 19:00 *オープニングに合わせて作家が在廊します。
nca | nichido contemporary art はタイ出身のタワン・ワトゥヤによる新作個展、「TRANSFORM / トランスフォーム」を開催いたします。
タワン・ワトゥヤの(1973年タイ・バンコク生まれ、在住)の描くポートレートや動物は、独特なアプローチと示唆に富む水彩画で知られています。ワトゥヤは外国へ頻繁に旅をすることで意識的に自国を客観的に捉え、現代の社会的・政治的状況を研究しながら、双方を理解しようと試みます。
「トランスフォーム」シリーズは、アイデンティティの複雑さと、人類、自然、テクノロジーの関係を探求し、鑑賞者をメタモルフォーゼの領域へと誘います。本展でワトゥヤは、半人半獣のハイブリッドな生き物を描いており、アイデンティティの無限の融合を表現し、2024年初頭にフランスのラ・ロシェルのAssociation Intermondesで開催された展覧会では、その大胆な芸術的アプローチと人間の本質に対する哲学的探求に、多くの評価を受けました。
水彩の流動的で透明な特質を生かし、柔らかく、儚い、そして想像力によってイメージを捉え、進化し続ける人間のアイデンティティの本質を反映しています。人間と動物の特徴を融合させたハイブリッドなフォルムは、自然と自我の切り離せない結びつきを暗示し、人間のアイデンティティが常に変容することを示唆しています。この融合はまた、テクノロジーが完全に覆すことのできない、人間の根源的な部分である「原始的本能」の目覚めをも明らかにしています。
テクノロジーがアイデンティティを定義し、ライフスタイルを形成する上で重要な役割を果たす時代において、本展では、私たちが構築してきた文明と、人間の精神に内在する原始的な本能との複雑な関係の再考へと鑑賞者を誘います。顔、頭、爪といった動物的な特徴と人間のフォルムが融合した描写は、本能が私たちを適応へと駆り立てる本質的な生存メカニズムであることを思い起こさせます。これらの作品に見られるアイデンティティの曖昧さは、技術の進歩によって私たち自身を自然から切り離そうとしているにもかかわらず、人間がこうした原始的な衝動と本質的につながり続けていることを示唆しています。
「トランスフォーム」は、無限の変容を受け入れ、私たちの存在を支える原始的な本能を認識するよう促し、我々が創造する文明と、私たちを根本的に定義する自然との融合に自分自身を切り開くことに挑戦するものです。つまりは、「トランスフォーム」は絶え間ない変化の中で適応していく人類のあり方を映し出すものであり、感情的、精神的、創造的に、人類、自然、テクノロジーの間の深く複雑なつながりを私たちに思い起こさせるのです。
1973年タイ・バンコク生まれ、在住
シラパコーン大学絵画専攻 修了
近年の主な個展:Transforme, Centre Intermondes, ラ・ロシェル、フランス(2024)/ Xspace Gallery Main Hall、バンコク (2022) / PEEP SHOW ARCADE, gallery SFA PROJECTS、ニューヨーク (2022) / Art Centre Silpakorn University、バンコク (2021) / SUNY ONEONTA University、オニオンタ, アメリカ (2019) / “Queen”, nca | nichido contemporary art、東京 / 「A Multitude of Possibilities」 Hatch Art Project Gallery、シンガポール (2019) 主なグループ展:バンコクアートビエンナーレ、バンコク(2020)/ “現代美術の最前線 – タグチ・アートコレクションより-“、下関市立美術館 (2020) . NO FRONTIERS – What happens in Bangkok does not stay in Bangkok、galerie arnaud Lebecq、パリ、フランス(2020) など他多数。また、SILPATORN AWARD 2023 ,Visual Arts(2023)を受賞