small scenes.2017 11.22 - 12.27レセプション:2017年11月22日(水)18:00 – 20:00 |
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Untitled, 20 x 20 cm oil on linen canvas ©Jean-Luc Moerman |
会期:2017年11月22日(水) - 12月27日(水)
営業時間:火 – 土 11:00 – 19:00 (日・月・祝日休廊)
レセプション:2017年11月22日(水)18:00 – 20:00
出展アーティスト:
Janaina Tschäpe | Jean-Luc Moerman | Soichiro Shimizu | Pin-Ling Huang | Chih-Hung Liu
ジャナイナ・チェッペ | ジャンリュック・モ―マン | 清水壮一郎 | ピンリン・ホワン | リュウ・ジーホン
nca | nichido contemporary artは小品展、”small scenes.”を開催いたします。上記アーティストの小品のみを選出いたしました。
近年では巨大空間での展示や国際展、アートフェアが各地で多数開催され、スケールの大きい作品が多く求められています。それぞれの5名のアーティストも、これまでに多くの大規模なインスタレーションや作品を手掛けています。
それと同時に、大作に向き合いながらより個人的に内面/外面世界と密接に対話し、それを留めておくツールとして小さな画面に表わしています。それは大規模な作品のための小品でありながら、各々が強烈な存在感を持ってそこに現れます。小さな枠を超え、見えない部分が私たち鑑賞者の想像力をかきたてます。
本展はタイトルにあるscenes (場・シーン)の通り、それぞれのアーティストが各々の取り巻く環境、日々の生活や時間、歴史、心象風景を独特に表現しています。
ジャナイナ・チェッぺ(ドイツ生まれ/ニューヨーク・リオデジャネイロ在住)は自身の体験やその場所に存在する神話を基に、自然と生命の調和や生命の根源、人間の本質、人間の存在意義を探究しながらそれを絵画や写真、映像、立体など様々なメディアを用いて表現しています。その抽象的にみえる表現は全て自然界(植物や海洋生物、人間の身体やさまざまな神話、架空の生物)からイメージを引用しています。
ジャンリュック・モ―マン(ベルギー生まれ、在住)はキャンバスを超えて壁面や車、オブジェなど形態を覆うように描画します。モ―マンの自由で流動的で常に増殖と反復を繰り返す独特の流れるようなペインティング(ライン)は対象や環境に素早く呼応し、覆うと同時にものの本質を浮き彫りにします。
清水壮一郎(東京生まれ / 現在バンコク在住)は一定のルールをもって画面に描いては削り、フィジカルに反復と増殖を何度も繰り返しながら表現しています。幾重にも絵の具が重なりあって完成するそれはまるで長い時を経て堆積された地層のようにみえます。磨かれた画面の微細な輝きと合間から見える奥行、多彩な色使いが静寂と喧騒、生と死を同時に想起させ、生命のサイクルを垣間見ているようです。
ホワン・ピンリン(台湾生まれ 在住)は自身のこれまでの体験や記憶の小さな断片を拾い集め、紡ぎ合わせた詩的な風景画を描いています。描き留めた何冊ものスケッチブックをもとにしながら過去と現在を行き来し見落としてしまいがちな小さな事物を捉え画面に重なって表れるそのイメージは、柔らかな色彩と質感、筆の痕跡によって独特の世界を創り出します。
リュウ・ジーホン(台湾生まれ・在住)は自身の記憶と日々の経験を元に作品を制作しています。リュウは自身の周りで起こる事象を絶えず観察し、それを彼のセンスをもって可視化させ物語を紡ぐように作品へと反映します。本展では、2014年に台北市立美術館で開催された個展「short fiction」シリーズより作品を選出しています。本シリーズはマルティアリスの言葉「過ぎ去った日々を楽しめる人は、人生を二倍楽しんでいる。」を元に、日々過去へ行き来しながら、時空を超えてあらわれる風景(scene)を描いた作品です。