アン・リスレガード -Bellona-2006 04.07 - 05.13 |
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アン・リスレガード「ベローナ」展
Ann Lislegaard “Bellona”
開催場所: nichido contemporary art
会期: 2006年4月7日(金)- 5月13(木)
レセプション: 4月7日(金)18:00 - 20:00
営業時間: 火-土 11:00 - 19:00 休廊:日月祝 5月1日-7日
この度、nichido contemporary artは、デンマークの作家アン・リスレガードによる日本での初の個展を開催致します。映像インスタレーション「ベローナ」は、2005年ベニス・ビエンナーレで出展された作品で、本展覧会において初の日本での発表になります。
本作品のタイトル“Bellona”( ベローナ)とは、1974年に出版されたサミュエル・R・ディレイニーによるSFカルトクラシック「Dhalgren(ダルグレン)」に登場する虚構都市の名前です。世紀末のカオスの中にあるその都市では、時と空間の調和が失われ、構造が定着せずに常に変化し、自然の法則が静かに拒絶されるのです。
アン・リスレガードは、音、映像、空間の特性を生かし、観賞する側の平行感覚、視点、判断力を消滅させるような映像インスタレーションを創り出します。
本作品「ベローナ」の構造上の不安定さは、動いていくドアや壁、変化していく色彩、透明度、そして継続して回転する視点によってこの映像作品のなかに反映されています。これら全てはわれわれの全認知力をはっきりと描く能力をかりたてます。言い換えればこれは私たちが、真実が長期的に存在しない世界に住んでいるというメタファーにつながるのです。リスレガードは、ミステリーが注ぎこまれた物語を使用することで、「対象を視ること」や「聴くこと」といったこれらの感覚はリアリティを生み出し、カタルシスへと導くのです。
また、11分間のループの中で2回にわたり女性の声が小説「ダルグレン」の中の一節「それは一つの巨大な迷路のようである・・それは果てしなく順応し、それ故我々は決して覚えることが出来ない…」と静かに詠唱し、我々をその美しくも謎めいた世界へと誘います。
略歴
1962年ノルウェー生まれ。現在コペンハーゲンとニューヨークで活動中。コペンハーゲンのロイヤル・アカデミー・オブ・ファインアーツを卒業後、ニューヨークPS1や、ストックホルムにおけるインターナショナル・プログラムなどにも参加。1997年、作品「Nothing But Space」をデンマークで発表。これまでに、スコットランド、スェーデン、ノルウェー、スイス、オランダ、アメリカなど世界各地で個展を行う。2000年には、物語形式をとる作品「Kronborg Castel」「Eisinore」「In Another Room」そして「I-You-Later-There」を製作。また2002年製作の「Eyes Wide Open」をデンマークとイタリアで発表。2003年に「Cornor Piece」(2000)がマレー・ガイ・ギャラリー(ニューヨーク)で発表される。2005年夏には、ベニス・ビエンナーレ、デンマーク館にて「Bellona」を発表している。
■オープニングにあわせ作家が来日します。作品に関するお問い合わせは担当:竹田までお願いします。